播州赤穂五万三千石の城主で、波乱の最後を遂げた浅野内匠頭長矩公に、生前、茶の伴として好んでいただいた菓子が、姫路の菓子製法に学び赤穂産の塩を配合した赤穂饅頭でした。
やがて長矩公が江戸参勤の折、土産として将軍家に献上し、諸国の大小名の許にも贈られたためその名は広く知れ渡り、賞賛されるようになったのです。
後に江戸より菓子職人をはるばる赤穂にまで招き、洗練された腕によって、歯ざわりも柔らかく、味に磨きがかかって、より格調高く、まろやかで絶品の風味と変わりました。以後、この誉れ高き銘菓は今日に至り、数々の栄誉ある賞を拝受しました。
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